多焦点眼内レンズ
 (当院で今後導入予定です)

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眼内レンズとは

眼内レンズとは

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに「眼内レンズ(IOL)」という人工のレンズを目の中に挿入します。視力を回復するために欠かせないこの眼内レンズには、大きく「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」の2種類があります。

単焦点レンズと多焦点レンズの違い

単焦点レンズ 近く・中間・遠くのいずれか一か所にピントを合わせるタイプで、一般的に最も多く使われています。
多焦点レンズ 複数の距離にピントが合うように設計されており、メガネを使わなくても快適に見える範囲が広がるのが特徴です。

見え方の質や夜間の光のにじみ(ハロー・グレア)といった点で違いがあるため、どちらが優れているというよりも、生活スタイルや目の状態に合った選択が大切です。

多焦点眼内レンズのメリットとデメリット

メリット

  • 遠くも近くもピントが合いやすく、日常生活でメガネに頼る時間が減る
  • 老眼や乱視の改善も同時に期待できる
  • さまざまなレンズから生活に合ったタイプを選べる

デメリット

  • コントラスト感度が低下し、見え方がややぼやけることがある
  • 夜間の運転時などに光のにじみ(ハロー・グレア)を感じやすい
  • 保険適用外のため費用負担が大きくなる

レンズ選びのポイント

多焦点レンズには、2焦点・3焦点・5焦点タイプのほか、焦点深度拡張型(EDOF)などの種類があります。また、構造も「屈折型」と「回折型」に分かれており、それぞれ見え方や適応がちがいます。
夜間の外出や色彩を扱う仕事が多い方、強度の近視がある方などは、眼科専門医と相談のうえ選ぶことが大切です。

治療費と保険制度について

単焦点レンズを使用した手術は保険適用となりますが、多焦点レンズは原則として保険外です。「選定療養」対象のレンズであれば、手術費用の一部は保険が適用されますが、レンズ代は自己負担となります。自由診療のレンズは全額自己負担となるため、レンズごとの費用や性能をよく比較することが大切です。

多焦点眼内レンズの種類について

当院で取り扱っている多焦点眼内レンズは、焦点の数や構造によっていくつかのタイプに分かれます。

2焦点レンズ

「遠く」と「近く」の2か所にピントが合うタイプです。読書やスマートフォンなど手元を見る機会が多い方に適しています。最もスタンダードな多焦点レンズで、選定療養の対象にも多く含まれます。

3焦点レンズ

「遠く」「中間(約60〜75cm)」「近く」の3か所にピントが合うタイプです。日常生活で使用頻度の高い距離をバランスよくカバーできるため、パソコン作業や家事などが快適になります。

焦点深度拡張型(EDOF)レンズ

ピントが合う範囲を広げることで、より自然な見え方を目指したレンズです。遠くから中間までの見え方がスムーズになる一方で、手元は少し見えづらくなる場合があります。

5焦点レンズ

最新の高性能レンズで、「遠方」「遠中」「中間」「近中」「近方」と、より細かい距離ごとにピントを合わせることができます。夜間の見え方やコントラスト感度にも優れており、より自然な視界を求める方に適しています。ただし、自由診療となるため費用は高めです。

屈折型と回折型の違い

多焦点眼内レンズは「屈折型」と「回折型」に分かれ、見え方に違いがあります。

屈折型レンズ

屈折型レンズは、レンズ内の領域により屈折率を変化させて複数の焦点を実現します。遠方視力が良好で、コントラスト感度も高い傾向にありますが、光のにじみ(ハロー・グレア)を感じやすいことがあります。

回折型レンズ

回折型レンズは、同心円状の段差構造によって光を複数の焦点に分けるしくみです。遠くも近くもバランスよく見える一方、明暗の差がやや弱まる傾向があります。瞳孔の大きさに影響されにくいというメリットもあります。

どちらが良いかは一概に言えず、目の状態やご本人の感覚によって変わりますので、医師としっかりと相談して進めることをおすすめします。

多焦点眼内レンズの費用について

多焦点眼内レンズは健康保険が適用されないため、手術費用は「選定療養」または「自由診療」として、患者さんのご負担が発生します。どちらの制度でも、レンズによって価格が異なるため、当院ではご希望とご予算を丁寧にお伺いした上でご案内しております。

選定療養

国が承認したレンズが対象で、手術や診察などの費用は保険が適用されますが、レンズ代は自己負担となります。一般的な自己負担額は片眼で10万円〜20万円前後です。

自由診療

すべての費用が自費となり、片眼で30万円以上になることもあります。海外製の高性能レンズや5焦点タイプは、こちらに該当します。

レンズ選びでお悩みの方へ

レンズ選びでお悩みの方へ

多焦点眼内レンズの選択は、視力の回復だけでなく、今後の生活の質にも大きく関わる大切な選択です。しかし、専門的な知識が必要なため、すべてをお一人で判断するのは難しいのが現実です。
当院では、経験豊富な眼科専門医がご対応し、患者さんのご希望や目の状態に合わせて、無理のないご提案をさせていただきます。
ライフスタイルやご職業、趣味までをしっかりとお聞きしながら、術後の見え方に納得していただけるレンズ選びをお手伝いします。

072-727-6361

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