糖尿病網膜症

長期間の高血糖状態が続くと、これらの細い血管が徐々に傷つき、このような変化が起きます

• 血管が弱くなり、小さな出血や水漏れが起こる
• 血管が詰まり、網膜に十分な酸素が届かなくなる
• 酸素不足を補おうとして、異常な新しい血管（新生血管）が発生する
• この新生血管は非常にもろく、簡単に破れて出血する
• 出血した部分には傷跡のような膜ができ、これが網膜を引っ張って剥がれる（網膜剥離）こともある

「まだ見えるから大丈夫」という自己判断は危険です。症状が出てからでは手遅れになることも少なくありません。そのため、糖尿病と診断された方は、視力に問題がなくても定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けることが非常に大切です。早期発見・早期治療が視力を守るカギとなります。

第1段階　単純糖尿病網膜症（初期）

これは最も早い段階の網膜症です。

第2段階　増殖前糖尿病網膜症（中期）

症状が進行し、網膜の血管が広い範囲で詰まり始める段階です。

第3段階　増殖糖尿病網膜症（進行期）

最も進行した重症な段階です。

糖尿病黄斑浮腫

進行段階とは別に、どの段階でも起こりうる合併症です。

レーザー治療（網膜光凝固術）

特殊なレーザー光線を網膜に当てる通院治療です。酸素不足の網膜組織を減らし、新生血管の発生を防いだり、既存の新生血管を減らしたりします。この治療は悪化を防ぐためのもので、失った視力を回復させるものではありません。早期治療が効果的で、将来の失明予防に重要です。

硝子体手術

レーザー治療で進行が止められない場合や、硝子体出血・網膜剥離が起きた場合におこなう手術です。目の中に小さな穴を開け、出血や異常な膜を取り除き、剥がれた網膜を元に戻します。回復には時間がかかりますが、早期治療ほど視力回復の可能性が高まります。

血糖値のコントロール

高血糖状態が続くと網膜症が進行するリスクが高まります。医師の指示に従い、適切な食事療法、運動療法、薬物療法をおこないましょう。

血圧のコントロール

高血圧も網膜症の進行に関係します。適切な血圧管理を心がけましょう。

定期的な眼科検診

糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても定期的（少なくとも年に1回）に眼科検診を受けることが重要です。早期発見・早期治療が視力維持のカギとなります。

禁煙

喫煙は血管を収縮させ、糖尿病網膜症のリスクを高めます。

水野眼科では、糖尿病網膜症の早期発見と適切な治療を提供しています。糖尿病と診断された方、視力の変化を感じる方は、お早めに当院までご相談ください。