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- 斜視・弱視
おこさまのこのような様子にお悩みありませんか?
- 片目が内側や外側に寄っているように見える
- 物を見るとき、頭を傾けたり目を細めたりする
- 片目を閉じて見ることが多い
- 「目が寄っている」気がする
- 視力検査で片目の視力が極端に悪いと言われた
斜視とは
斜視(しゃし)とは、両目でものを見ようとする際に、片目は正面を向いていても、もう一方の片目が違う方向を向いてしまっている状態です。向いている方向によって以下のように分類されます。
| 内斜視 | 目が内側(鼻側)を向いている |
|---|---|
| 外斜視 | 目が外側(耳側)を向いている |
| 上斜視 | 目が上方を向いている |
| 下斜視 | 目が下方を向いている |
斜視があると、見た目の問題だけでなく、両眼視機能(両目で見た情報を脳で一つの像としてまとめる能力)の発達が妨げられ、立体視が困難になることがあります。また、特に小児では斜視のある目が弱視になりやすいという問題もあります。
斜視の治療
手術以外の治療
プリズム眼鏡
眼鏡にプリズムを入れることで、斜視の角度を減らし、両方の目を使いやすくします。
視機能訓練
両眼で見たものを脳で一つの像にまとめる能力を両眼視といいます。斜視ではこの両眼視が弱いことがあります。両眼視機能を回復する矯正訓練指導をおこないます。
斜視の手術について
手術の目的
斜視の種類や年齢に応じて手術の目的は異なります。
視力の発達を促す目的
小児の斜視では、正面を向いていないほうの目が弱視になっている場合があります。そのため手術後に視能訓練をして、視力の発達を促します。
両眼視の獲得
両目で見たものを脳で一つの像にまとめる能力を両眼視といいます。この両眼視機能によって物を立体的に見ることができます。斜視ではこの両眼視が弱いことがあります。小児の斜視では手術後に、両眼視が発達するか経過をみる必要があります。
整容上の目的
見た目を改善することも重要な目的の一つです。
手術の内容
目には6つの筋肉(外眼筋)がついています。この外眼筋の位置をずらしたり、筋肉を縫い縮めることにより両目の位置が真っすぐに近づくようにします。
手術をおこなう目は、必ずしも正面を向いていない方をおこなうわけではありません。左右の視力や効き目を考慮して手術をする目を決めます。また、矯正をする量によって、片目だけではなく両目を手術する場合があります。
麻酔は、小児では全身麻酔、15歳以上では局所麻酔でおこないます。手術時間は60~90分程度です。全身麻酔では、麻酔時間のためにさらに40分ほど時間がかかります。
斜視手術の合併症について
白目の内出血
白目の内出血は必ず起こります。最初は赤くなりますが、1週間程度で白く戻ります。
縫合糸による充血
手術では、白目の表面を糸で縫い合わせます。そのため、手術後の約1ヶ月程度は縫合糸の残存により充血、異物感、目やになどがありますが、徐々に改善してきます。なお、縫合糸は吸収糸を使用しておりますので、手術をしてから約1~2ヶ月で自然に脱落・吸収するため抜糸の必要はありません。
低矯正・過矯正
手術後に少し矯正が足りない(低矯正)、矯正が多すぎる(過矯正)がある場合があります。経過を見ても、物がダブって見える(複視)が続く場合などでは再手術をおこなうことがあります。
斜視の戻り
手術で目を真っすぐの位置に治しても、経過とともに少しずつ元の位置に戻ってしまうことがあります。これを「戻り」といいます。特に手術前より両眼視の弱い方や小児では、この戻りが起こりやすいといわれています。戻りが起きた場合には、時期を見て再手術をおこないます。
弱視とは
「視力の発達が障害されておきた低視力」を弱視といいます。弱視では、眼鏡をかけても視力が十分に出ません。生まれてから8歳ぐらいまでの視力が発達する時期に、何らかの原因で目からの視覚情報が脳に十分に伝わらないと、視力の発達が妨げられます。
弱視の原因
斜視弱視
斜視がある場合、ずれた方の目が使われないため視力が発達しません。これを斜視弱視といいます。
屈折異常弱視
遠視・近視・乱視が両目とも強いために起こる弱視です。
不同視弱視
遠視・近視・乱視に左右差が強いために起こる片眼の視力障害です。
形態覚遮断弱視
先天白内障や角膜混濁、眼瞼下垂などのため、片方の目を使わない期間があると弱視になります。
弱視の可能性がある症状
- 片目をつぶって見る
- 目を細くして見る
- 横目づかいで見る
- 顎を上げる又は下げて見る
- 頭を傾けて見る
- 上目づかいで見る
弱視の治療
弱視の種類により、治療法が異なります。
遮閉具(しゃへいぐ)を使用する治療(遮閉法)
視力の良い方を遮蔽具(=アイパッチ/目に貼る絆創膏のようなもの)で隠し、強制的に悪い方の目で物を見ることで、悪い方の目の視機能の発達を促していきます。また、アイパッチの代わりにアトロピンという散瞳剤を用いることがあります。
眼鏡による治療
矯正用の眼鏡を掛けることで、網膜の中心部にピントを合わせて視機能の発達を促していきます。
視能訓練
斜視のために両眼視機能や屈折異常、斜視が原因の弱視の方に、視機能回復を目的としておこないます。視能訓練は、医師の指導のもと「視能訓練士」の国家資格を持つ専門家がおこないます。当院では、多くの視能訓練士が在籍しており、主に弱視、斜視、両眼視機能不全などに関して、個々の症例に合わせて常に細やかな対応をおこないます。特に小児が緊張することなく楽しみながら視能訓練や検査をおこなえるような環境や中長期に渡り経過を追えるよう配慮したシステム作りを心がけています。
手術
斜視弱視では、斜視の角度が大きい場合に手術をおこなうことがあります。先天性白内障や眼瞼下垂では年齢や程度に応じて手術が必要な場合があります。
水野眼科では、お子様の視力発達を守るため、斜視・弱視の早期発見・早期治療に力を入れています。ご心配な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
